蛍光X線分析について
X線装置といえばレントゲンのような透過し内部を可視化できるものを想像するかと思いますが、図のようにX線を物質に照射したときには多く分けて2つの現象が発生します。
ひとつは物質を透過する透過X線です。こちらは物質によって透過しやすいものから透過しにくいものがあるのでレントゲンはその現象を利用し透過したX線の強さの違いをフィルムに転写したものになります。
もうひとつは物質から跳ね返る蛍光X線です。X線が物質に当たると電子が飛ばされ、外側の殻から空いた内側の殻へ電子が移動します。このときL殻からK殻へ移動するのをKα線、M殻からK殻へ移動するのをKβ線といいます。そしてこの反応は元素によって固有のものであるため元素を特定することができます。
ご覧のように検出されたKα線とKβ線のピークが元素によって違うことがわかります。これによって蛍光X線を利用することで含有成分を分析できることがわかります。
蛍光X線分析機の基本的な構造としてはX線発生源から、それを検出する検出器、そして信号処理を行うプロセッサから成り立ちます。
蛍光X線分析とはこのようなX線特性を活かした成分分析の手法である。さらに分析した成分から合金を特定したり、強度からメッキの膜厚を推定したり、さまざまな分析方法に応用されています。
Comments